番手ずらしのメリットと特徴!アイアン選びが変わる
例えば、とても気に入ったシャフトがあったとしても、シャフトの硬さは非常に選ぶ際に重要なポイントとなる。
フレックスRのシャフトを使うと柔らかいが、フレックスSだと硬すぎる。
フレックスSのシャフトを使うと柔らかいが、フレックスXだと硬すぎる。
既存フレックスの中間があれば良いなと思うゴルファーは少なくないはずだ。
こんな時に「番手ずらし」と呼ばれる手法がある。
簡単に言えば、7番アイアンに6番アイアンや8番アイアンのシャフトを挿す事だ。
今回はアイアンシャフトの番手ずらしのメリットについて徹底解説をする!
アイアンシャフトの硬さは第1ステップの長さで決まる
ご存知の方もいるかもしれないが、アイアンシャフトは番手毎に硬さが異なる。
試して頂きたいが、アイアンセットをヘッドを上にして全番手並べる。
スチールシャフトの場合、シャフトにはステップと呼ばれる節目が存在する。
ヘッドに一番近いステップを「第1ステップ」と呼ぶが、ステップの位置は全番手同じ位置であるが、長さがそれぞれの番手で異なる。
例えばPWの第1ステップの長さと5番アイアンの第1ステップでは、PWの第1ステップの方がヘッドまでの距離が短い。
これは何を意味するかと言うと、ステップの長さが短いとシャフトは「硬くなる」のだ。
つまり、アイアンの硬さは「第1ステップの長さ」で決まるのだ。
もちろん全てのシャフトがこれに当てはまる訳ではないが、アイアンシャフトの基本的原理として覚えて頂きたい。
番手ずらしとは?
今回検証で使用した「MODUS3 TOUR105 S」だが、フレックスはR・S・Xの3種類がラインアップされている。
Rでは柔らかいが、Sでは硬い場合。この中間にあたるSRを作りたい。こういった場合に「番手ずらし」を用いる。
例)フレックスSでは硬いから「SR」にしたい場合→少し柔らかくしたい=7番アイアンのヘッド+6番のシャフト
先ほども説明したが、番手が長くなると「第1ステップ」は長くなり柔らかくなる。
そのまま7番アイアンのヘッドに挿してしまったら、長さが6番アイアンのままなので、7番アイアンの長さにカットを行う。
同じ様に、柔らかいと感じるシャフトを硬くしたい場合にも「番手ずらし」は有効な方法だ。
例)フレックスSでは柔らかいから「SX」にしたい場合
少し硬くしたい=7番アイアンのヘッド+8番のシャフト
それでは次に実際に振動数を計測してみる。
▼MODUS3 TOUR105 Sの詳細
振動数の比較
今回検証で使用した「MODUS3 TOUR105」を使用する。
それぞれの振動数データも公開する。
・MODUS3 TOUR105 S 7番アイアン(ノーマル)
振動数:329CPM
・MODUS3 TOUR105 S 7番アイアン(硬めに番手ずらし:SX相当)
振動数:333CPM
・MODUS3 TOUR105 S 7番アイアン(柔らかめに番手ずらし:SR相当)
振動数:323CPM
・MODUS3 TOUR105 R 7番アイアン(ノーマル)
振動数:314CPM
同じ長さでも振動数が変化する「番手ずらし」
繰り返しになるが、アイアンのシャフトの硬さは第1ステップの長さで決まる。
番手ずらしを行い、すべてのシャフトの長さも揃えたが、それぞれの第1ステップの長さは異なる。
柔らかめに番手ずらし(SR相当)とノーマルのSでは、柔らかく番手ずらしをした方が第1ステップは長い。
振動数で言えば6CPMの差が出る。同じ長さであっても、この様に差が出るのは非常に興味深い。
また、硬めに番手ずらし(SX相当)のシャフトは、第1ステップが短い。
振動数で言えば4CPM硬くなっている。
フレックス表記はSのままだが、番手ずらしをする事でしっかりと振動数にも変化が出る事が分かる結果となった。
既存のフレックスでは柔らかい・硬いと感じる方には、有効な方法と言える。
それぞれのシャフトの試打を行い、違いを感じるのか検証を行う。
番手ずらしシャフトの試打感想
それでは、それぞれのシャフトで試打を行い、それぞれのシャフトに対する所感を紹介する。
クラブフィッターたけちゃんが試打を行う。
・MODUS3 TOUR105 S 7番アイアン(ノーマル)
試打を行ったクラブフィッターたけちゃんは、軽さが気になった様だ。
また軽い上に硬いので、さらに硬さが非常に気になった様で、ややトップ目の弾道となった。
・MODUS3 TOUR105 S 7番アイアン(硬めに番手ずらし:SX相当)
では、硬めに番手ずらしを行ったシャフトはどうか。
捕まった球となったが、フェードヒッターのたけちゃんとすれば逆球となる。
Sよりも更に硬くなったSXは、たけちゃんにはハードスペックとなった。
・MODUS3 TOUR105 S 7番アイアン(柔らかめに番手ずらし:SR相当)
たけちゃんが通常使っているアイアンシャフトと振動数的には、一番近いのがSR相当の番手ずらし。
普段使っているシャフトに比べると、軽量ではあるが振り心地もよく、球筋も非常に納得する結果となった。
詳細は上記のYouTube動画を今すぐ確認してほしい。
番手ずらしでアイアン選びの幅が広がる
既存のフレックスではR・S・XしかないMODUS3 TOUR105ではあるが、番手ずらしを行う事で、
ゴルファーに合う振動数・振り心地が変化する。
それだけに番手ずらしの有効性・そして奥深さを知って頂けただろう。
既存のフレックスにはない、貴殿にぴったり合うシャフトが見つかる可能性があるのが「番手ずらし」だ。
ただし、当然ながら自分に最適な振動数や重量を知るべきであり、まずはしっかりフィッティングを受けて、最適な振動数や重量を知る事から始めて頂きたい。
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番手ずらしで好みの重量調整も可能
ここまで番手ずらしの硬さについて説明してきたが、もう一点番手ずらしを行うメリットがある。
それは重量だ。
それぞれのフレックスに対するカット前重量は以下の通りだ。
- フレックスR(103g)
- フレックスS(106g)
- フレックスS(112g)
見て頂いた通り、硬さによって重量は異なる。
例えば重量はフレックスS位が良いが、それだと硬すぎるので、フレックスSR相当にしたい。
そうなれば、柔らかい方に番手ずれしを行えば良いという訳だ。
その逆に、軽いが硬くしたい場合であれば、フレックスRを硬く番手ずらしを行う事も出来るのだ。
番手ずらしはすべてのメーカーが対応していない
ここまで読んで頂いた方の中には、番手ずらしに興味を頂いた方も多いかもしれない。
ただ気をつけたいのが、全てのメーカーが番手ずらしに対応している訳ではないという事だ。
まずは、しっかりとメーカーに確認を行う事を勧める。
工房では割とポピュラーな手法でもある番手ずらし。
まずはしっかりと自分に最適な重量、硬さをフィッティングで知った上で、既存のフレックス設定を見直したいゴルファーは番手ずらしは非常に有効な手法だ。
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【Q&A】クラブフィッターたけちゃんに聞く!
番手ずらしをしたゴルファーの反応
番手ずらし。なんか【通なゴルファー】って感じがして、僕ちんもやってみたいんだけど、実際に番手ずらしをした方の反応ってどうなん?
相変わらずミーハーなヤツだなぁ。ワシなんかは振動数を合わせてクラブを組み上げるから、結構番手ずらしは行ってるぞ。
チップカットやバットカットすれば簡単に硬くする事が出来るぞ。だからゴルファーに最適な振動数のシャフトを作りやすいな。
何でもかんでも番手ずらしすれば良いって訳じゃないんでしょ?
そりゃそうだ。まずはフィッティングを受けて、フィッターとしっかり相談して決めることだな。
番手ずらしとフレックス変更。その違いは?
素朴な疑問だけどさ。番手ずらしをするのと、そもそもシャフトを全部変える。この違いってなに?
どうしてもこのシャフトの調子と重さが好き。でも硬さが合わないって場合には番手ずらしは有効って事だ。
そっか。シャフトをガラッと変えたら調子も重量も変わってしまうのか。自分の好きなシャフトは使い続けたいもんね。
ワンレングスアイアンってどういう特徴なの?
ふと思ったんだけどさ、番手ずらしとは関係ないかもしれないけど、ワンレングスアイアンってどんな特徴なの?
当然ながらヘッド重量が全て同じで、シャフトも全て同じ長さで硬さなのがワンレングスアイアンだな。
ワンレングスアイアンって言えば、デシャンボー選手が有名だけど、デシャンボーはどういうセッティングでワンレングスアイアンを作ってるの?
やっぱり番手ずらしとかしてるのかな・・・?あれ・・・?いや、全部6番アイアンだから・・・?あれ?
混乱してきたな。ワンレングスアイアンの場合、番手ずらしという概念は無い。つまり、ヘッドのロフトのみでそれぞれの番手の差を出しているんだ。
自分にあったアイアンの見つけ方
番手ずらしって聞いた事はあるけど、そういう意味だったんだねぇ・・・。自分に合うアイアン・シャフトってどうやれば見つけられるんだろう?
なんとなく硬い・柔らかいと感じているゴルファーは意外と多いんだよな。でも、それをどうしたら良いのか分からないから、自分でシャフトに合わせようとしてしまうよな。
うん。やっぱりどうして良いのかって分からないもんね。
自分に合ったシャフトの振動数を数値化して、それを実現する方法は番手ずらしだったり色んな方法が実はあるんだよ。
振りやすい!って感じても硬いなー。って思ったら諦めちゃうもんね。
そういう事。まずは専門店などでフィッティングを行い、己を知る事。そして、その結果を基に信頼できるクラフトマンと相談して、自分に最適なアイアン・シャフトを作り上げる事だな。
どうしても、僕ちんみたいなシャイボーイはフィッティングとか敷居が高いって感じちゃうんだよな。
己を知る!これが楽しんでゴルフをする時に大事なことかもね!たけちゃん、今回もサンキュー!
まとめ
いかがだっただろうか。
番手ずらしという言葉を聞いた事がある人は多いかも知れないが、どう行っているか。
今回はそんな番手ずらしの貴重な話をクラブフィッターたけちゃんから聞く事が出来た。
人間の感覚は非常に鋭く、なんとなく硬い・柔らかいの違いを敏感に感じ取る事が出来る。
それ故に、自分がシャフトに合わせてしまっているゴルファーが非常に多いという。
自分にとっての最適な振動数は必ず存在する。しかし、既存のフレックスだけでは対応できない時に「番手ずらし」は非常に有効だ。
既存のフレックスでは柔らかい・硬すぎる場合に、その中間を上手く作り上げる番手ずらし。
今のアイアンシャフトをもう一度見直す為にも、まずはフィッティングを受けて、自分にとって最適な振動数を知ろう。
アイアンは狙った距離を狙った場所に狙う、非常に重要なクラブ。
またスイングの基礎ともなるアイアンは、過ぎるくらいにこだわって良いではないか。
この記事を読んで、貴殿のアイアン選びが更に充実する事を願って、筆を置く事とする。
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当記事のライター辻和也氏
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