重ね着がスイングに与える3つの悪影響
冬のゴルフにおいて、我々ゴルファーが一番頭を悩ませるのが「防寒対策」だろう。
何枚も重ね着をしてラウンドや練習をしているゴルファーも多い。
重ね着をしてスイングをする事で、スイングや球筋にどんな影響が出るか。
今回はクラブフィッターたけちゃんが体を張って検証。貴重なデータも必見だ!
冬ゴルフでは定番アイテムとなっているネックウォーマーに潜む落とし穴についても解説する。
防寒着対策に悩んでいるゴルファーは必見の内容だ!
重ね着をして試打検証
実際に重ね着をした場合を想定して、クラブフィッターたけちゃんにドライバーの試打を行う。
以下が今回行う重ね着だ。
・アンダーウェア1枚
・重ね着3枚
・重ね着5枚
・重ね着7枚(7枚目はダウンジャケットを着用)
アンダーウェア1枚の状態から最高7枚までの重ね着をして、ヘッドスピードや飛距離にどの位影響が出るか検証をする。
パフォーマンスがどれほど変わるかの検証であるので、全力で試打をする。
【貴重】重ね着での試打データ
それでは重ね着をした場合の試打データを公開する。
アンダーウェア1枚 | 重ね着3枚 | 重ね着5枚 | 重ね着7枚 | |
---|---|---|---|---|
ヘッドスピード | 44.6M/S | 44.9M/S | 45.0M/S | 43.6M/S |
総スピン量 | 2850RPM | 3815RPM | 3545RPM | 3850RPM |
打ち上げ角度 | 16.8° | 13.0° | 12.8° | 10.2° |
キャリー | 228YDS | 218YDS | 216YDS | 200YDS |
総飛距離 | 246YDS | 236YDS | 235YDS | 221YDS |
7枚まで着込む事でヘッドスピードは落ちるが、アンダーウェア1枚の状態と重ね着5枚まであれば、そこまでヘッドスピードが極端に落ちる事はなかった。
しかし、重ね着が増える事でキャリーの距離は落ちていき、当然ながら総飛距離も落ちていく。
アンダーウェア1枚の状態と重ね着7枚では総飛距離で25ヤードもの差が生まれた。
それだけではなく、スピン量も増加傾向にある。
フェードヒッターで普段からスピン量が多いたけちゃんであるが、重ね着をする事でスピン量が増加していく。
それには確固たる理由がある。
スピン量増加の理由はアウトサイド軌道にあり!
重ね着をした際の試打データを更に詳細に解析する。
アンダーウェア1枚 | 重ね着3枚 | 重ね着5枚 | 重ね着7枚 | |
---|---|---|---|---|
パス | -1.6° | -2.3° | -0.4° | -3.3° |
アタックアングル | 3.7° | 3.4° | 3.5° | 1.8° |
インパクト位置 | 縦 5.1mm 横 5.3mm (ほぼセンター) | 縦 3.5mm 横 -12.2mm (ややヒール寄り) | 縦 16.5mm 横 -7.1mm (ヒール寄り) | 縦 17.2mm 横 -12.9mm (ヒールヒット) |
ダイナミックロフト | 24.9° | 23.6° | 22.0° | 21.8° |
重ね着の枚数が増える事でパスのマイナス値が増える傾向にあり、アウトサイド軌道が強くなる。
つまり、カット軌道になっているという事だ。
スピン量増加の理由はインパクト位置のデータにもある。
重ね着が増える事でフェースに対して下目になる当たる傾向が増加。そしてヒール寄り当たる検証データとなった。
フェースの下部・ヒールに当たるとギア効果により、打ち出しは低く、スピン量は増加してしまう。
これは先の試打データを見て頂きたいが、重ね着7枚の時は打ち上げ角度が一番低くなっている。
重ね着7枚に至っては、完全にヒールに当たっている。これでは飛距離は期待できない。
※パス=インパクト時のクラブヘッドがインサイドかアウトサイドの値。マイナスであればアウトサイドという意味になる。(右利きの場合)
※アタックアングル=インパクト時のクラブヘッドの上下の運動量。プラスの値の場合はアッパー軌道という意味になる。
※インパクトの位置=インパクト時のボールが当たるクラブヘッド位置を表す。
※ダイナミックロフト=インパクト時のロフト角を表す。
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重ね着し過ぎると飛ばない理由
データを見ても分かる通り、重ね着が増える事でアウトサイド軌道。つまりカット軌道になる。
これは何故なのか。理由は脇にある。
重ね着の枚数を増やす事で、脇が閉まらなくなる。すると閉まらないので腕は外側を通る。つまりカット軌道となる。
重ね着の枚数が増える事で、ボールとの距離感も掴みにくくなり、ヒールに当たってしまう。ヒールに当たる事でスピン量が増えてしまう。
ヘッドスピードは確かに減少傾向にあるが、それ以上に飛距離が出ない理由は以下の通りだ。
・打点がヒール側
・カット軌道
言われて見れば単純な事だが、試打データでの数値が出る事で、重ね着をする事でスイングに与える影響が明白となった。
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フードを被ってショットも問題あり!
実際にクラブフィッターたけちゃんも、フードを被って試打を行なったが大きな問題がある。
バックスイング時にフードが邪魔をして、ボールが見えなくなってしまう事だ。
一度視界からボールが消えてしまう事で、心理的に非常にスイングに不安が生まれてしまう。
例え一瞬の出来事であっても、回避できる不安は解消するべきだ。
あまりの寒さにダウンジャケットに付いているフードを被ってラウンド・練習する方。
気持ちは非常に分かるが、ショットをする際はフードは我慢して、プレーに臨もう。
ネックウォーマーに潜む落とし穴!
首元を温めるアイテムとして、非常に重宝されるのがネックウォーマーだ。
実際にネックウォーマーを使用している方も多いと思うのが、このネックウォーマーにも落とし穴がある。
クラブフィッターたけちゃんはTPIという、ゴルフスイングにおける身体的可動域を研究する資格を保有する。
その上でたけちゃんは、ショットする際はネックウォーマーを外す事を推奨している。
ネックウォーマーを付けている事で首の回旋。つまり首の可動域が制限されてしまう。
首の回旋が制限される事で、バックスイング時のトップの位置が浅くなってしまい、自身のポテンシャルが発揮されなくなってしまう。
ショットする時以外はネックウォーマーを付けても構わないが、ショット時はネックウォーマーを外す事で、ポテンシャルが発揮出来る可能性が大いに高まる。
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重ね着がスイングに与える3つの悪影響
今回は実際に重ね着をして試打を行い、スイングに与える影響を検証をした。
試打検証を行い分かった、重ね着がスイングに与える3つの悪影響は以下の通りだ。
・ヘッドスピードの低下
・カット軌道によるスピン量増加
・打点がヒール側に当たる
定番アイテムのネックウォーマーも注意が必要だ。
冬のゴルフは寒さとの戦いである。寒さ対策は必須であるが、重ね着をし過ぎる事で確実にスイングに悪影響が出る。
重ね着をする事で、どんな影響が出るかを把握しているかしていなかでは、対策に大きな差が生まれる。
ラウンド時や練習をする時は、今回の検証を思い出して過度な厚着には気をつけて頂きたい。
【Q&A】クラブフィッターたけちゃんに聞く!
腕の鍛えすぎが与える影響や、防寒対策についてクラブフィッターたけちゃんにズバババ!っと聞いてみたぞ!
腕を鍛えすぎるとアウトサイド軌道になりやすい?
今回もよろぴくー。防寒対策とはちょっと違うんだけどさ、腕の筋肉を鍛えすぎるとアウトサイド軌道になりやすい?
ズバゴルにしてはキレのある質問だな。確かに鍛えすぎるとアウトサイド軌道になりやすい。
やかましいわ!やっぱり鍛えすぎるとアウトサイド軌道になりやすいんだね。実際にフィッティングでそういった方っていたの?
実際にいたぞ。胸筋と上腕二頭筋がバキバキに鍛えている人はやはり脇が閉まらないからカット軌道になりやすい。そしてトップも浅くなる傾向があるな。
そうなのかー。僕ちん、バッキバキに鍛えてダイナマイトバディを目指そうと思ったけど、やめとくわー。
その前にたぷんたぷんの腹をどうにかしろよ。
(神様。どうかたけちゃんをたぷんたぷんのワガママバディにしてください・・・。)
パンツの重ね着の影響
重ね着って事で今回は検証したけどさ、パンツの重ね着ってプレーに影響するの?
極端に重ね着しなければ影響は出ないと思うが、そもそも歩きにくいだろう。歩きにくければ疲れやすくなるから、プレーにも影響は出るだろうな。
なるほど。パンツの重ね着も注意が必要ってことね。そういえば黄色のポロシャツ来てるけど、パンツも黄色ですな。
そっちのパンツじゃないぞ。あと、何度もいうが元々の色は白や。
元々は白・・・。たけ・・・ちゃん・・・・。
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【動画】厚着が飛ばない本当の理由!ネックウォーマーに潜む飛ばぬ落とし穴
まとめ
いかがだっただろうか。
今回は冬ゴルフならではの、重ね着がスイングに与える影響を紹介した。
重ね着をする事で極端ではないが、ヘッドスピードは低下してしまい、ポテンシャルが低下してしまう。
さらに、重ね着をする事で脇が閉まらなくなり、カット軌道が強くなり、さらにはヒールに当たる事でスピン量が増加してしまう。
厚着になる事で確実にスイングに影響が出る事が分かった。
厚着がスイングに影響が出るからといって薄着でプレーをして体調を崩してしまったら元も子もない。
暖かい時期と同じプレーを目指すのではなく、冬は重ね着をするから、どういうスイング傾向になりやすいかを理解すれば、プレーに対する心構えも変わるはずだ。
重ね着以外にも、体を暖かくする方法はアイディア次第でいくらでもある。
プレー以外はしっかり防寒をし、プレーをする際は本記事の内容を思い出して頂きたい。
必ずや冬ゴルフでも貴殿のパフォーマンスが十分に発揮できるはずだ。
▼ズバババ!GOLFイチオシインナー
当記事のライター辻和也氏
ズバババゴルフ専属ゴルフライターのプロドラマーつじです。
最近では完全にゴルファーとして音楽仲間に認知されているプロドラマーです。
今はライブ配信でちゃんと音楽的な活動をしていますが、暇があれば練習に勤しみます。
しかし本当に冬場の練習はなかなか厳しいですよね・・・そもそも寒くて体を動かそう!っという気にもならない。
そんな時は家でコソコソと素振りに限りますね!(ドラムの練習しろよ。)
ドラムもそうなのですが、コソコソと練習するのが大好きなのですが、ゴルフは練習器具が豊富でいいですね。
練習器具を見てるだけでも。
「おお。。。これでヘッドスピード上がるのか・・・。」
「これでパター名人になるのか!」
練習器具を見ていると、まだ使ってもいないのに上達した様な気がするから困ったものです。
寒い冬。ズバババ!ゴルフの動画を見ながら、今日もコソコソと素振りをするのでした。(ドラムの練習しろよ。)
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