さらに進化!SIM2 MAXの飛距離の秘密
2020年話題の中心になったドライバーといえば、テーラーメイドのSIMシリーズだ。
メジャー優勝をしたプロもSIMドライバーを使用し、アマチュアゴルファーにも爆発的な人気となった。
その中でもSIM MAXはドライバー売上ランキングでも圧倒的な支持を得た。
そんなSIMシリーズ登場から1年。SIM2シリーズが登場した。
1年という短期間に一体どれだけ進化をしたのか。そこにはテーラーメイドの技術力の高さを感じる。
今回はSIM2 MAXを前作のSIM MAXと徹底比較を行なった!
前作からの変更点、気になる試打データも公開するぞ。
飛距離が欲しいゴルファー・SIMシリーズを愛用しているゴルファーは必見の内容だ!
SIM2 MAX進化のキーワードは「軽量化」
SIMシリーズ登場から1年でどこまで進化したのか。なにが変わったのか。
試打データを見てもらう前に、まずはSIM2シリーズがどのような進化を遂げたのかを紹介する。
そのキーワードは「軽量化」だ。
今までツイストフェースやスピードインジェクションなど、我々ゴルファーをあっと驚かせてきたテーラーメイド。
今回も革新的なアイディアをSIM2に採用しているぞ。
SIM2はソール部分がオールカーボン!
今回のSIM2シリーズの注目ポイントとして、ソール部分がオールカーボンになったことだ。
前作のSIMシリーズもカーボンを多く使用していたが、一部分カーボン以外の素材も使用されていた。
しかし、SIM2シリーズではソール部分はオールカーボンとなり生まれ変わり、更なる軽量化に成功した。
SIMシリーズでも多くのカーボンを使用していたが、SIM2シリーズになり徹底的にカーボン使用量を増やした。
SIMはトゥ側がカーボン、ソール側がチタンだったが、SIM2シリーズは全てがカーボン素材という、劇的な進化を果たしている。
接着でヘッドを組み立てるSIM2シリーズ
通常ドライバーのヘッドは、様々なパーツを溶接をして組み立てる。
SIM2シリーズは、クラウン、フェース、ソール、アルミニウムリング。この4つのパーツで構成されている。
今回のSIM2シリーズは、4つのパーツを接着をして組み立てるのだ。
溶接を行うと「溶接バリ」と呼ばれる、加工時に出来る不要な突起物が出来る。
SIM2シリーズでは溶接バリすらを排除し、均一な製品を生み出すために「接着」という手法に挑んだ。
製品を均一化させる為の手法ではあるが、数グラムという世界で軽量化に成功しているのだ。
カーボンの弱点を補うフォージドアルミニウムリングの採用
SIM2シリーズを見た時に目を引くのが、ヘッド外周にある鮮やかな青だ。
これは「フォージドアルミニウムリング」と呼ばれる、新しいパーツだ。
チタン素材ではなく、非常に軽量な素材であるアルミニウムを採用している。
これはヘッド後方外周を支えるパーツなのだが、このフォージドアルミニウムリングは、カーボンの弱点を補う役割もある。
軽量化を実現するために大胆にカーボン素材を使用しているが、カーボン素材の弱点としてはショット時の音が頼りなく感じてしまうことだ。
ゴルファーにとって、音というのもドライバーを選ぶポイントとして外せない方も多い。
先にも紹介したが、4つのパーツでSIM2シリーズは構成されている。
フェース部分と、フォージドアルミニウムリングの金属部分が合わさるため、インパクトでは金属音がするという仕組みだ。
ドライバーらしい爽快な打音も確保されている。
軽量化のメリット「重量を効果的に使える」
軽量化をしたと言っても、前作のSIMとヘッド自体の重量は大きな変化はない。
SIM2 MAXのヘッド重量(スリーブ込み):199g
SIM MAXのヘッド重量(スリーブ込み):198g
しかし、軽量化に取り組む事で余剰重量をヘッドに効果的に使えるということだ。
これこそが軽量化の最大のメリットだ。
このメリットをSIM2 MAXではどの様に利用したのか。それは「ウェイト」だ。
SIM2 MAXではソール後方に24gのタングステンウェイトを配置し、高弾道を実現させている。
前作のSIM MAXが18gだったので、かなりの重量アップに成功している。
さらにソール前方にもウェイトを配置。これは高慣性モーメントを実現している。
軽量化を実現する事で、さらなるドライバーとしての完成度を高める設計の自由度が広がったと言える。
では、このウェイトを配置する事で、一体何が起きるのか。さらに説明をする。
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「低スピン&広い芯」を実現したSIM2 MAX
先にも説明した様に、SIM MAXでは18gだったソール後方のウェイトが、SIM2 MAXでは24gとなっている。
そして、さらにソール前方にもウェイトを置いている。
一般的に、ウェイトを前方に配置する事で、芯は狭くなるが低スピンとなる。
芯が狭くなるのをカバーする様に、後方にウェイトを配置する事で、芯の広さを確保することに成功したのがSIM MAX2だ。
芯の広さは確保しつつも、低スピンを実現している。
まさに飛んで曲がらないの謳い文句通りのヘッドとなっているのだ。
補足となるが、他のシリーズとなる「SIM2」「SIM2 MAX-D」においても、前作よりも後方ウェイトが増量している。
M3やM4シリーズから採用されている「ツイストフェース」やM5、M6から採用されている「スピードインジェクション」も当然ながら継承され採用されている。
ある意味、フェース部分は熟成されて来ていると言って良いだろう。
長い間熟成されたフェースとヘッド部分で、さらなる進化を遂げたSIM2 MAXなのだ。
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フェース部分にも新たな試み、ミルドバックカップフェース
SIM2は、軽量化が注目されるが、もちろんフェース部分にも進化がある。
SIMシリーズから採用されているスピードインジェクションは、反発係数を抑える為に、フェースのヒール・トゥ側に樹脂を注入していた。
SIM2シリーズは、フェースに前作の樹脂を注入しているネジがなくなっているが、スピードインジェクションは継続して採用されている。
新たな技術、ミルドバックカップフェースという機械加工ミーリングで、精密にフェース裏側を削っている。
ヒール側の反発性能を上げるため機械加工ミーリングが施されているのだ。
ヒール側の反発性能を上げると、トゥ側の反発性能も上がってしまう。
上がってしまった反発力を抑える為に、SIM2ではトゥ側にのフェースの外に樹脂を注入するネジを配置して調節している。
前作のSIMシリーズではフェース2箇所の注入口ネジが配置されていたが、これが無くなることで、スイートスポット拡大と軽量化を実現しているのだ。
【貴重】SIM2 MAXの試打データ
お待たせしました。それではSIM2 MAXの試打データを公開する。
今回は前作のSIM MAXでも採用されている標準シャフトの「TENSEI BLUE TM50 S」を使用しての試打となる。
「TENSEI BLUE TM50 S」の振動数は238CPMと、柔らかめのシャフトとなっている。
試打者はクラブフィッターたけちゃん、そして女性代表としてYoutube版ズバババ!ゴルフのゆみちゃんにも試打を行なってもらった。
SIM2MAXとSIM MAXの試打データ
それでは貴重なSIM2 MAXとSIM MAXの試打データをご覧頂こう。
SIM2 MAX (たけちゃん) | SIM2 MAX (ゆみちゃん) | SIM MAX (たけちゃん) | SIM MAX (ゆみちゃん) |
|
---|---|---|---|---|
ヘッドスピード | 42.2M/S | 33.2M/S | 43.3M/S | 33.2M/S |
総スピン量 | 3250RPM | 3615RPM | 3765RPM | 4345RPM |
打ち上げ角度 | 16.5° | 19.9° | 13.0° | 18.5° |
キャリー | 221YDS | 127YDS | 215YDS | 122YDS |
総飛距離 | 238YDS | 143YDS | 232YDS | 140YDS |
気になる飛距離だが、SIM2 MAXの方がキャリー・総飛距離ともに伸びている。
データを見る際に面白い結果が出ている。飛距離に目が行きがちではあるが、注目して頂きたい値がある。
「スピン量」と「打ち上げ角度」だ。
そもそも2人ともスピン量が多いタイプのゴルファーであるが、明らかにSIM2 MAXはSIMに比べてスピン量が減少している。
打ち上げ角度もSIM2 MAXが高打ち出しとなっている。高弾道を実現しているのだ。
そもそも高い飛距離性能を誇るSIMシリーズ。
SIMシリーズの飛距離性能に寛容性がさらにアップしたのがSIM2 MAXなのだ。
爆発的にSIM2 MAXになって飛距離が伸びるとい訳ではない。
前作に比べてスピン量、打ち出し角度が向上しているのは、軽量化によって生まれたウェイトの効果と言える。
毎年ドライバーが新しくなり、打つべきゴルファーの悩みを解消していると言えるのではないだろうか。
どうしても球が上がらない、スピン量が減らないと悩んでいるゴルファーは大いに試す価値がアリだ!
打感が軽くなったSIM2 MAX
実際に試打を行なったクラブフィッターたけちゃん、ゆみちゃんは打感にも大きな変化を感じた。
2人に共通しているのは、「SIM2 MAXの打感は軽くなった」ということだ。
カーボンの使用量が増えると、打感は軽くなる傾向にある。
前作のSIM MAXの金属的な打感に比べると、SIM2 MAXは打感が軽く感じるのだ。
打感よりも性能をとったのがSIM2 MAXといえる。
打感は人それぞれ感じ方が異なるので、必ず試打を行なって欲しい。
SIMシリーズの販売店に変更点あり
今作のSIM2シリーズは以下のラインナップとなっている。
・SIM2(セレクトフィットストア限定)
・SIM2 MAX
・SIM2 MAX-D
今作からSIM2に関しては、テーラーメイドセレクトフィットストア限定の販売となる。
SIM2 MAX・SIM2 MAX-Dに関してはセレクトフィットストア以外の店舗でも購入可能となっている。
セレクトフィットストアは、テーラーメイドのサイトから確認頂きたい。
▼テーラーメイドセレクトフィットストア
SIM2 MAXの評価/口コミ
それでは、実際にSIM2 MAXを打ったゴルファーのホンネはどうなのだろうか。
一般アマチュアゴルファーだからこその生の声は非常に貴重だ!
SIM MAXよりも捕まりは良くなって、打感も前作よりも柔らかく感じた。捕まる分飛距離は伸びた。
とにかく曲がらない。球の高さもしっかり出る。
ミスショットしてもスピン量が安定している。大きく右に曲がる感じがしない。
打感に関しては前作の方が好み。後方ウェイトはシャットに振る人には合うかもしれないが、フェースターンをする人には合わないと感じる。
【Q&A】クラブフィッターたけちゃんに聞く!
クラブフィッターたけちゃんにSIM2 MAXの純正シャフトについて、ズバババ!っと聞いてみたぞ!
SIM2 MAXが気になるゴルファーは必見の内容だ!
純正TENSEIシャフトの特徴
たけちゃん今回もよろぴこー。今回のSIM2 MAXに採用されているTENSEI BLUE TM50シャフトって、どんな特徴なの?
いやー。テーラーメイドさんはニクいよなー。前作から大人気シリーズのTENSEIを使用するところが、まぁーニクいぜ。ただな、人気のTENSEIオレンジとは全くのベツモノだぞ。
え?そうなん?TENSEIっていうから、TENSEIオレンジの青バージョンだと思ったわ。
オレンジの青バージョンってなんだよ。哲学かよ。純正のTENSEIはオレンジと違って中調子だし、ハードスペックなTENSEIオレンジに比べてかなり柔らかいシャフトに仕上がってるぞ。
具体的に振動数ってどれくらいなの?
フレックスSの振動数が238CPMだ。これはいわゆるカスタムシャフトでいえば、SR相当くらいの振動数だな。だからちょっと柔らかめと言えるな。
対象のヘッドスピードってどれくらいなの?
40m/s前後あるゴルファーなら問題なく使えるだろうな。ただ、柔らかいからSだと飛びつくと柔らかすぎる人もいるから、試打は必須だぞ。
しっかし、1年でこんなに進化するヘッドが生まれるとは思わなかったなー。
そうだな。純正シャフトでもいけるし、カスタムシャフトでハードにも使える万能なヘッドといえるな。
たけちゃん、「これ以上はない。」なんて去年は言ってたけど、どうなんよ。
・・・。痛いところを言うなよ。まさかこんなに軽量化を実現するなんて思わなかったわ。たださすがに「SIM2のこれ以上はない!」っと言うわ。
ほんじゃまぁ、SIM2 MAXのフィッティングをしたいから電話しよ。Prrr….
シムシム!シムシム!クラブフィッターたけちゃんです!シムシム!シムシーーーーーム!!!
うーーん。文字にするとイマイチだし、こっちは去年を超えなかったね。
それを言うなよ・・・。
▼関連動画
【動画】SIM2vs前作SIM試打比較!SIM2 MAXが飛んで曲がらない理由!
まとめ
いかがだっただろうか。
今回は大人気シリーズ。テーラーメイドの新作SIM2 MAXについて紹介した。
前作のSIM MAXも非常に完成度の高いヘッドであったが、1年という期間の中で想像を超えるような軽量化に取り組んで来た。
軽量化をする事で余剰重量を効率的に使用する事が可能となる。
それによりソール後方のウェイトを前作SIM MAXよりも増量する事に成功し、ソール前方にもウェイトを配置した。
高慣性モーメントでやさしさを追求すると、重心位置が上がり、スピン量が増えて飛ばなくなる。
飛びを求めると安定を失う。
いわゆるトレードオフ関係だ。何かを得ようとすると、何かを失う関係だが、SIM2シリーズではこのトレードオフ関係を解決しようと開発した事が伺える。
ソール前方のウェイトは重心が前になり、スピンが減るが芯は狭くなる。
それを解決する為にソール後方にウェイトをSIM MAXよりも増やす事で、芯の広さも確保しているのだ。
軽量化にとことん突き詰めて、ドライバーの究極系に迫るテーラーメイドの技術力には脱帽だ。
ぜひ、球が上がらない、スピン量が多い、飛距離が欲しいと悩んでいるゴルファーは試打をオススメする。
貴殿のドライバーが昨年を上回る事を祈り、筆を置く。
当記事のライター辻和也氏
ズバババ!ゴルフ専属ゴルフライターのプロドラマーつじです。
ゴルフを始めて思ったことは、こんなに毎年新しいクラブが出るのか!っということ。
楽器の世界でも新製品は出るのですが、ここまでリリースのサイクルは早くないです。
楽器とゴルフじゃ違いますが。
「うぉー。今年の新作クラブはカッチョいいなー。去年と何が違うんだろう・・・。」
なんて常にゴルファーの興味を抱かせてくれる、メーカーの開発、宣伝には頭が下がります!
しっかしまぁ・・・。私自身も、ドライバーのヘッドを何にしようか毎日悩んでいます。
アイアンもそうですが、毎日変わっちゃうんですよね。
「テーラーメイドいいわぁ。キャロウェイいいな。。タイトリストいきたいな・・。ブリヂストンもいいな・・スリクソンも!あ!ホンマもPRGRもいいな!やっぱヤマハか!?」
楽器はすぐにパッと!決めてしまうのですが、ゴルフはどうにもこうにも決められない。
毎年変わるクラブの進化に、どうにもこうにも心のトキメキが止まらない!
あー・・・大富豪になったら、一気にクラブ買っちゃうだろうな・・・。
あのクラブにこのシャフト・・・!あのグリップもつけちゃおうかな。
ゴルファーの妄想は果てしなく続くんですよね。
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