話題の軽硬シャフトの特徴とメリット・デメリットに迫る!
ファッション・音楽・食べ物・・・。どの時代にもそれぞれトレンドがある。
今、ゴルフ業界のトレンドは「軽硬(カルカタ)」だろう。
従来の重くて硬いではなく、軽くて硬い。
プロが使用する様になり一気に我々アマチュアゴルファーの人気に火がついた。
男子プロの今までの多くは7X(70g台のフレックスX)から、6Xが主流になりつつある。(60g台のフレックスX)
シャフトの重量を落とすが、硬いシャフトが軽硬の意味であるが、実際に軽硬シャフトは硬いのか。
しかし、トレンドだからと言ってすべてのゴルファーに合うとは限らない。
今回はそんな軽硬(カルカタ)シャフトを徹底検証!
軽硬のメリットとデメリットをクラブフィッターたけちゃんを徹底解説!
リシャフトを考えている方、軽硬シャフトを検討している方は必見だ。
【貴重】軽硬シャフト振動数比較
今回の検証では、UST MamiyaのThe ATTASを3本用意。それぞれ異なる重量・フレックスで検証を行う。
それぞれの振動数データも公開する。
▼The ATTAS 4X(軽硬シャフト)
振動数:246CPM
▼The ATTAS 5S
振動数:250CPM
▼The ATTAS 6SR
振動数:248CPM
軽硬は本当に硬いのか?
シャフトの硬さを知る為に、フレックス表記を確認するだろう。
今回の振動数計測で使用したシャフトを考えれば、フレックスXの4Xが一番硬いと思いがちだが、実はそうではない。
フレックス表記のイメージで言えば、以下の硬さの順になるだろう。
4X>5S>6SR
しかし、実際の振動数計測では以下の順に硬くなる。
5S>6SR>4X
非常に重要な話をクラブフィッターたけちゃんから聞くことが出来た。
「シャフトは10g重くなるとフレックス表記が半フレックス柔らかくなる」
例えば、フレックス表記が同じSだとしても、40g・50g・60gでは振動数が異なり、同じ硬さになる訳ではないのだ。
つまり、5Sと6SRはフレックス表記上では5Sの方が硬いとイメージしてしまうが、実際には5Sと6SRはほぼ同じ振動数である。
重量が重くなると、シャフトは硬くなる傾向となるが、それはとても単純な話だ。
「重い=カーボンの巻き数が増える=硬くなる」
非常に単純な話だが、これがシャフトの重量が重くなる事で硬くなる原理だ。
同じ振動数でも硬く感じるのは軽硬
硬さと重さは比例する。
つまり、4Xと6SRはほぼ同じ振動数ではあるが、軽い4Xの方が6SRに比べて硬く感じる。
振動数計測では一番柔らかい4Xだったが、クラブフィッターたけちゃんが試打をした3本の中で一番硬く感じたのは4Xだという。
人間の感覚として、軽くて硬いとほぼ同じ振動数の6SRがあったとしても4Xの方が硬く感じるのだ。
軽硬シャフトの試打計測
普段は6Sのシャフトを使用しているクラブフィッターたけちゃんが試打を行う。
The ATTAS 4X(軽硬シャフト)の試打データ
The ATTAS 4X | |
---|---|
振動数 | 246CPM |
ヘッドスピード | 44.6M/S |
打ち上げ角度 | 9.4° |
総スピン量 | 3650RPM |
キャリー | 220YDS |
飛距離 | 242YDS |
フェース角度 | 1.0°クローズ |
試打をして一番に感じたのは、当然だが「軽い」という事だ。
データを見ると分かるが、トップ目に当たっている。
軽硬シャフトのデメリットとしてミスヒットはトップが出やすいことだ。まさに試打データではそれが顕著に出ている。
もうひとつ注目して頂きたいのはフェース角度のデータだ。
軽硬の4Xはインパクト時にフェースが開く事なく、閉じてインパクトを迎えている。
他の硬さではどうなるのか。
The ATTAS 5Sの試打データ
The ATTAS 5S | |
---|---|
振動数 | 250CPM |
ヘッドスピード | 44.4M/S |
打ち上げ角度 | 15.4° |
総スピン量 | 4000RPM |
キャリー | 226YDS |
飛距離 | 242YDS |
フェース角度 | 1.8°オープン |
たけちゃんが普段使っているシャフトに一番近いのが5Sだ。
打ち上げ角度もたけちゃんのヘッドスピードからすると理想値に非常に近い数値だ。
フェース角度は1.8°オープンとなっているが、これも普段の持ち球からすると、いつも通りの結果となる。
The ATTAS 6SR の試打データ
The ATTAS 6SR | |
---|---|
振動数 | 248CPM |
ヘッドスピード | 43.8M/S |
打ち上げ角度 | 17.4° |
総スピン量 | 4525RPM |
キャリー | 213YDS |
飛距離 | 226YDS |
フェース角度 | 6.7°オープン |
たけちゃんが普段使っているシャフトに重量が番近いのが、SRだと柔らかすぎた。
それは打ち上げ角度を見ても明らかだが、フェース角度が6.7°と非常に開いてインパクトを迎えている。
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ヘッドスピードの変化によるフェース角度の変化
疑問に思う方もいるかも知れないが、4Xと6SRは振動数で言えばほぼ同じ数値だ。
しかし何故ここまでフェース角度に差が生まれるのか。
それはヘッドスピードがポイントとなる。
The ATTAS 4X
ヘッドスピード:44.6M/S
The ATTAS 6SR
ヘッドスピード:43.8M/S
当然ではあるが、軽いシャフトの方が速く振れるので、ヘッドスピードは速くなる。
これは軽硬シャフトのメリットである。当然軽いシャフトの方がヘッドスピードが出やすい。
そしてヘッドスピードが速くなる事でフェースの返りが速くなり、フェース角度はクローズ傾向となる。
これが、振動数はほぼ同じ4Xと6SRで起きるフェース角度の差の原因だ。
【重要】シャフトはフレックスだけで選ぶな!
ここまで軽硬シャフトについて迫って来たが、フレックス表記はあくまでも目安であり、絶対的なものではないと言う事だ。
Xだから振動数が硬いという訳ではなく、そこには「重さと硬さの連動」が重要となる。
仮に40gと50gのシャフトを同じヘッドスピードで振る事が出来るのであれば、軽いシャフトより重いシャフトの方が飛距離が出る。
すべてのシャフトの振動数を知る事は難しいが、単純にXだから軽いと決めつけるのではなく、重量との関連性がある事は覚えて頂きたい。
重量フローは慎重に判断すべし
軽硬シャフトを選ぶ際の重要な点として「硬さと重量フロー」がある。
例えばドライバーは40gのXとして、その下にあるアイアンが重量級のシャフトを使用していれば、重量フローがバラバラになってしまう。
これではドライバーとアイアンで極端な差が生まれてしまう。
これではスコアメイクが難しくなってしまう。
ドライバーに合わせてアイアンをセットするのか。アイアンに合わせてドライバーをセットするのか。
それぞれゴルファーの好みの部分であるが、今のトレンドは「軽硬」ではあるが、必ずしも軽硬が最良の選択ではないという事だ。
【Q&A】クラブフィッターたけちゃんに聞く!
クラブフィッターたけちゃんにズバババ!っと聞いてみた!
様々な重量・硬さのシャフトが存在する理由
そういう事だね。今回のテーマで言えば軽硬がブームとなっているが、当然他のクラブとの重量フローも大事だ。アイアンが重いのにドライバーが軽いとスコアメイクは難しいからな。
ハッキリというが、ヘッドスピードが落ちない範囲で「最も重いシャフト」を勧めるぞ。重さだけじゃなくて長さもそうだ。
長さ?それはヘッドスピードが落ちない範囲で短いのを選定するって事?
そういう事。ヘッドスピードが落ちない範囲で「重く」「短い」シャフトを選ぶ事が、フィッターの仕事と言えるな。
かっけーじゃん。でも、軽くて長い方が遠心力働いてヘッドスピード上がるから飛ぶんじゃないの?
ヘッドスピードはあくまでも目安であって、飛びの三大要素にヘッドスピードは入ってこない。当然重い方がパワーは出る。例えばトラックと軽自動車。同じスピードでぶつかったらどっちが痛い?
どっちも痛いよ?
・・・・。
そりゃそうだ・・・。
シャフト選びと握力の関係性
シャフト選びに握力って関係するものなん?
ヘッドスピードに対して適正な握力があるかどうか。そこがポイントだ。その人のヘッドスピードに対して、これくらいの握力が欲しいと伝えるぞ。
僕ちん、握力には自信ないんだよねー。
近年ヘッドスピードはあるけど、握力が弱い人が増えている。そう言う背景もあるから「軽硬シャフト」がブームになっているな。
握力って鍛えられるのかなー。
なんでも地道に続けることだぞ!諦めんなよ!
たけちゃんが燃えてきた・・・!!たけちゃん、今回もサンキュー!
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【動画】軽硬徹底検証!軽硬のメリットデメリットを解説
まとめ
いかがだっただろうか。
今回は現在のトレンドとなっている「軽硬シャフト」を特集した。
軽硬シャフトを使う事のメリットは「ヘッドスピードが上がる」事だろう。
飛距離の三大要素としてボール初速がある。当然ヘッドスピードを上げる事でボール初速が上がる可能性は高まる。
しかし、当然デメリットもある。
まず、「トップのミスが出やすい」事だろう。軽いシャフトを使う事で、ボールの上面を叩いてしまう可能性が高まる。
そしてもう一つのデメリットは「重量フロー」だ。
例えば、軽硬シャフトを使用したとして、アイアンが重量級のシャフトであれば、当然振り心地に大きな影響を与える。
クラブフィッターたけちゃんは何度も力説していたが、ヘッドスピードが落ちない範囲で重いシャフトを使う事が大事だ。
同じスピードであれば、重量が重いシャフトの方が飛距離は出る。
流行りが最善ではない。それはどの分野にも言える事だ。
軽硬のメリットが多く取り上げられてはいるが、まずは自分で試してみる事。その際はしっかりとフィッティングを受ける事。
重量フローも考慮する必要があるので、フィッターにしっかり相談をしながら考えて頂きたい。
繰り返しになるが、流行りが最善ではない。まずは己を知る為にも、気兼ねなくフィッティングを受ける事をお勧めし、筆を置くことにする。
当記事のライター辻和也氏
ズバババゴルフ専属ゴルフライターのプロドラマーつじです。
(勝手に編集後記みたいなコーナーにしてますが・・・。)
軽硬だったり、短尺だったり、いろんなブームがムーブメントです。(意味不明)
昨年にズバババゴルフの動画にご縁があって出演させて頂き、ドライバーをリシャフトしてもらいました。
後日、いつもの練習場でワクワクしながらドライバーを振った時の感動は忘れないです。
「すげー!!今まで使ってたドライバーと同じなのに、別のドライバーになったみたい!!」
なんて思ったのですが、いやはや欲深いと言いますか・・・。
「待てよ?もっとワシを気持ちよくさせてくれるドライバーにシャフトがあるのではないのだろうか?」
なんて思ったりするんですよね。きっとゴルファーの方なら分かって頂けると思います。
今回の軽硬シャフトも興味津々です。
じゃあ、専門のドラムの方は?っと言うと。
「え?新しい楽器が出た?へー。そうなんだ。でも、今使ってる楽器で十分だしなー。」
なんて思うのです。一応これには意味はあるのですが、またいつか説明したいと思います。
気がついたら楽器店には行かず、ゴルフショップに入り浸る様に。
ドラムの師匠にも揶揄われる日々。
ゴルファーの皆さま、こんなイケないドラマーをお赦しください。
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