徹底比較!マッスルバックとキャビティバック
プロや上級者が好んで使うマッスルバックアイアン。
いつかはマッスルバックを使いたいと思っているゴルファーも少なくないだろう。
一般的にマッスルバックアイアンは難しいとされているが、なぜマッスルバックアイアンは難しいのか。
そして、ミスヒットに寛容でアマチュアゴルファーの助けになるといわれるのがキャビティバックアイアンだ。
今回はマッスルバックとキャビティバックアイアン、それぞれの弾道計測や違いを紹介し、
それぞれの違いと、どちらを選ぶべきかを徹底検証する!
アイアン選びに悩んでいる方は、まさに保存版と言える内容だ!
試打クラブは『EPON』
まず最初に、今回の試打計測で使用したアイアンを紹介する。
マッスルバック・キャビティバックともにEPONのアイアンを使用した。
▼キャビティバック|EPON AF-505
▼マッスルバック|EPON AF-Tour MB
どちらのアイアンも同一シャフト「モーダス120S」を使用している。
本来この2本のアイアンはロフト設定が異なるが、どららのアイアンもロフトは33°に設定して検証を行った。
マッスルバックはキャビティバックに比べてロフトが寝ているが、同一ロフトにする事でヘッド以外は同条件となっている。
その上で、それぞれのアイアンの飛距離・スピン量・打ち出し角などの違いを検証する。
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マッスルバック・キャビティバックアイアン試打データ
キャビティ | マッスルバック | |
---|---|---|
ヘッドスピード | 36.5M/S | 37.2M/S |
打ち出し角度 | 23.2° | 20.7° |
総スピン量 | 6900RPM | 7175RPM |
キャリー | 142YDS | 137YDS |
飛距離 | 150YDS | 147YDS |
上記がマッスルバック・キャビティバックアイアンの試打データだ。
試打はクラブフィッターたけちゃん。
打ち上げ角が高いキャビティとスピン量の多いマッスルバック
試打を行ったクラブフィッターたけちゃんのヘッドスピードからすると、理想の打ち上げ角度は20°だ。
キャビティバックはやや球が理想よりも上がった結果となった。
またスピン量も大きな差はないものの、バックスピン量が増えると言われるマッスルバックアイアンは、キャビティバックに比べてスピン量が多い事が分かる。
それでは、さらにマッスルバック・キャビティバックアイアンの違いに迫る。
マッスルバック・キャビティバックアイアンの違い
そもそもマッスルバック・キャビティバックアイアンの違いを紹介したいと思う。
一番の違いはその見た目だろう。
- キャビティバックアイアン:ヘッドの裏側がえぐれた形状
- マッスルバックアイアン:ヘッド裏側に厚みがある形状
では、それ以外にどの様な違いがあるか。さらに細かく紹介する。
キャビティバックの特徴
キャビティバックアイアンの多くはヘッドが長く、それに伴い重心距離が長いのが特徴だ。
また、キャビティバックは重心深度が深い。重心距離が長く、重心深度が深くなるとヘッドの安定感が増す傾向になる。
そして一番大事なポイントとして「重心の高さ」がある。
キャビティバックはソールが肉厚に設計されており、それにより重量が下部に集まる為「低重心」となる。
マッスルバックの特徴
対してマッスルバックはキャビティバックの逆で、ヘッドは短くて重心距離が短いのが特徴だ。
マッスルバックは重心深度が浅い。重心深度が浅い事でヘッドの開閉がしやすく、ヘッドをコントロールしやすいのがマッスルバックの特徴だ。
そしてマッスルバックはソールが薄く設定されており「高重心」となっている。
重心の高さが与える影響について、さらに説明する事としよう。
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重心の高さが与える影響
キャビティバックは「低重心」マッスルバックは「高重心」となっているが、この重心の高さによって、それぞれのアイアンのキャラクターがハッキリする。
- 低重心:打ち上げ角度が高い
- 高重心:スピン量が増える
先ほどの試打データを再度見てみよう。
【キャビティバックアイアンの試打データ】
打ち上げ角度:23.2°
総スピン量:6900RPM
【マッスルバックアイアンの試打データ】
打ち上げ角度:20.7°
総スピン量:7175RPM
重心の高さによって、データ的にもそれぞれのアイアンの特徴がハッキリ出る結果となった。
キャビティバックが優しいと言われる2つの理由
一般的にマッスルバックよりもキャビティバックは優しいと言われる。
その理由として以下の2つが挙げられる。
- 芯が広い
- 高弾道
ドライバーも同様だが、重心が深いほど芯は広くなる。
マッスルバックに比べるとミスヒットに強いと言われるのは、重心深度が深く、芯が広い事だ。
そして、低重心のクラブは球を上げやすい為、高弾道のショットが打ちやすい。
これがキャビティバックアイアンが優しいと言われる理由だ。
プロがマッスルバックを使う理由
多くのプロ。特に男子プロがマッスルバックアイアンを好んで使う理由は「スピン量」だ。
非常に厳しいコースセッティング。特にグリーンは非常に硬いので高さで止めるのではなく、しっかりスピン量を増やして球を止めたいのだ。
また打点位置にも関係がある。
プロはダウンに打てるので、フェースの真ん中に当たる傾向になる。
マッスルバックはフェースの真ん中部分が一番肉厚となっており、打点位置の関係からもプロがマッスルバックを選ぶ理由はそこもある。
ストロングロフト化するアイアン
近年のアイアンはストロングロフト化している。
7番アイアンで言えば34°が主流だったのが、今は30°やそれ以上のストロングロフトになってきている。
なぜストロングロフト化しているのか。それはキャビティバックの構造にその理由がある。
そもそもロフトが立つと何故難しいと言われるのか。
それは球が上がらない事が理由だ。
しかし、キャビティバックの特徴でも説明したが、キャビティバックアイアンは球が上がりやすい。
ロフトを立てても、球が上がりやすいので、近年ストロングロフトのアイアンが増えてきている。
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マッスルバック・キャビティバックアイアンを使うべきゴルファー
ここまでマッスルバック・キャビティバックアイアンの特徴に迫ってきたが、ここまで読んで気になるのは、「自分はマッスルバック・キャビティバック。どちらを使うのが良いのだろうか?」につきるだろう。
実際にマッスルバック・キャビティバックアイアンを選ぶ際に非常に重要になるのが、「アタックアングル(入射角)」だ。
先ほどの試打データの際のアタックアングルのデータも紹介する。
【キャビティバックアイアン】
アタックアングル:1.9°ダウン
【マッスルバックアイアン】
アタックアングル:1.4°ダウン
試打をしたクラブフィッターたけちゃんのヘッドスピードからの理想的なダウン量は3.5°から4°だ。
たけちゃんはダウン量が少ないゴルファーだ。
アタックアングルで選ぶアイアン
ダウン量が少ない人は打点位置が必然的に低くなる。
クラブフィッターたけちゃんの打点位置を調べてみると、マッスルバックもキャビティバックもフェース下部でヒットしている。
マッスルバック・キャビティバックの違いでも説明したが、キャビティバックは低重心となっている。
つまりフェースの下部が肉厚となっており、ダウン量が浅いゴルファーはフェース下部が肉厚のキャビティバックアイアンは非常に相性が良い。
覚えておいて欲しいポイントだが、アイアンは一番肉厚になっている部分で当たるのが一番飛距離も球筋も安定する。
対して、ダウン量が多いゴルファーはフェースの真ん中に当たる傾向になる。
キャビティバックは真ん中部分が肉薄になっており、逆に縦距離が合いにくい難しいアイアンとなってしまう。
ダウン量が多いゴルファーは、フェース上部が肉厚なマッスルバックが最適と言える。
やさしいアイアンが全ての方に合う訳ではない
一般的にマッスルバックは上級者やプロが使うという認識だろう。
ミスへの寛容性を考えればアマチュアはキャビティバックアイアンを使うべきと思うが、クラブフィッターたけちゃんは必ずしもそうでは無いと言う。
7割近いアマチュアゴルファーはダウン量が少ないのでキャビティバックアイアンが合うとされている。
しかし、すべてのゴルファーがダウン量が少ないという訳では無い。中にはダウン量が多いゴルファーもいる。
ダウン量が多いゴルファーがキャビティバックアイアンを使うと、逆に当たりが薄くなり縦距離が合わなくなる事もある。
アイアンにとっては致命的と言える。
アタックアングルは専門の計測機を使わないと分からないので、是非一度フィッティングを受けて数値を計ってみる事をオススメする。
まずは自分の傾向を知り、その中でマッスルバック・キャビティバックアイアンどちらが自分にあっているか決めよう!
【Q&A】クラブフィッターたけちゃんに聞く!
クラブフィッターたけちゃんにアイアンの事をズバババ!っと聞いてみた!
飛び系アイアンとは
たけちゃん、飛び系アイアンってキャビティバックの別名なの?
そうだな、飛び系アイアンはキャビティバックの構造で作られているな。
7番アイアンなのに、昔の5番アイアンと同じロフト角だったりするよね。僕ちんビックリしちゃう!
そういうクラブは絶対にフェースの後ろが長く作られているぞ。
アイアン型ユーティリティーかと思うのもあるよね。
でもスピン量が少ないんだよね?
飛び系アイアンは高さで止めるってのもポイントだが、プロや厳しいコースセッティングでも無い限り、飛び系でもしっかり止まるぞ。
ウェッジのヘッド形状
おおぉ・・。なんと素晴らしい質問!勉強してるねー。ズバゴル、お前も団子ばっか食ってないでゆみちゃんを見習えよ。
うるせー。団子に罪はねぇ。
ご自身のウェッジとアイアンを見比べて欲しいが、ウェッジのネックはアイアンに比べると長い事が多い。それは重心を高くする事でスピン量を増やしているんだ。
え?そうなの?じっくりと見た事ないよー!
そう言えば、ウェッジでキャビティバックってあんまり見た事ないかも。
重心を高くしてスピンを増やしたいから、必然的にウェッジはマッスルバック形状になっている事が多いな。様々な工夫でスピンが掛かりやすい様になっているのがウェッジだな。
マッスルバック・キャビティバック以外の形状
そう言えば、マッスルバック・キャビティバック以外にもアイアンのヘッド形状ってなにかあるの?
中空アイアンってよく聞くけど、どんなアイアンなの?
なるほど!見た目はマッスルバックだけど、中身はキャビティバックみたいな?
見た目と簡単さを兼ね備えてるのが中空アイアンだな。ただ、これは個人の好みの問題だが打感が悪い傾向がある。
でも、中空アイアンの打感が好きって人もいるってことだね!
そういう事。そう言えばお前の中の人。中空アイアンの試打動画に出てたな。
な・・中の人なんていねぇよ。
自分のスイングを知る方法
ねーたけちゃん。自分がダウンに打ててるのか知りたいんだけど、どうすればいいの?
そうだな。アイアンを選ぶ際に自分のアタックアングルを知る事は大事な事だが、これはしっかり測定器を使用するべきだな。
やっぱり測定器じゃないと分からないんだね!
ある程度目視で分かるが、ヘッドスピードに応じて適正な入射角は存在するから、そこは測定器を使うべきだな。
まずは己を知る事が大事って事だね!フィッティングをしてもらう時に計測してもらおっと!
10年前のアイアンと最新のアイアンの違い
例えばさ、僕ちんは10年前のアイアンを使ってるんだけど、最新アイアンとの違いってなにがあるの?
ミスに強いってのは魅力的だよね。
マッスルバックも今の方が重心深度は、昔に比べて深くなっている。その分、多少ミスに強くなっているぞ。
見た目は変わらないけど、しっかり進化してるんだね!たけちゃん、今回もサンキュー!!
【動画】マッスルバックとキャビティバックアイアンの違いと選び方
まとめ
いかがだっただろうか。
今回はマッスルバックとキャビティバックアイアンの違いについて紹介した。
それぞれのアイアンにはしっかりキャラクターがある事が試打データからもハッキリと分かった。
アイアンを選ぶ際に重要になってくるのが、アタックアングルだ。
多くのアマチュアゴルファーはダウン量が少ないとされている。低重心のキャビティバックアイアンはダウン量が少ない人には最適と言える。
しかしながら、ダウン量が多いゴルファーもいる。ダウン量が多いゴルファーが逆に低重心のキャビティバックアイアンを使うと逆に難しいアイアンとなってしまう。
マッスルバックはプロや上級者。キャビティはアマチュアというイメージがあるが、まずは自分のスイングの傾向を知る事で最適なアイアンを選ぶ事が出来る。
その為にはフィッティングを受ける際に計測機を使って、自分のアタックアングルを知ろう。
アイアンは縦距離を合わせる事が非常に重要になる。今一度、自分のアイアンがあっているのか、見直して頂きたい。
この記事が貴殿のアイアンの悩みを解決するキッカケになる事を祈って筆を置く事とする。
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当記事のライター辻和也氏
私が出演しているゴルフ動画です♪
ゴルフ知らない方でも、きっと楽しめる!はず♪#ズバババゴルフ#ダイナミックゴールド#ゴルフ#ドラマーがゴルフ【7番200ヤード!?】アイアンフィッティング【ダイナミックゴールドx100】 https://t.co/WtLP3BMNoG @YouTubeより
— つじ@ズバババ!Drums (@KT_tanuki) September 18, 2020
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