「握力」と「ゴルフスイング」の深い関係
「握力とゴルフが関係あるのか?」と、問われれば大いに関係があります。
それはそうでしょう。
クラブと人間が接している部分はグリップしかないのですから…。
その大切な部分がしっかりと緩みなく握られていなければ、せっかくの自分の力を、効率よくボールに伝えることはできっこないのです!
今回は、意外と知られていない「ゴルフと握力の関係」と、「確実に握力を強化するおすすめのトレーニング器具」をご紹介します。
「ヘッドスピードはそこそこ速いが、なぜだろう飛距離が出ないなぁ。」と、悩むゴルファーや、「握力の低下で当たり負けしている」と感じる方は、今すぐ当記事をご確認ください。
握力と飛距離の関係性
まずはドライバーの推定飛距離の計算式を確認しておきましょう。
推定飛距離=ヘッドスピード × ミート率 × 4
上記のように「ヘッドスピード×ミート率」がボール初速と言い、「ボール初速の4倍」がドライバーの推定飛距離となります。
つまり、ヘッドスピードがいくら速くても、ミート率が低ければ、ボールを遠くに飛ばすことは出来ないのです。
また、このミート率は握力と大いに関係しているのです。
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弱いスライスボールは「当たり負け」が原因?
貴殿はインパクト時の衝撃の大きさをご存知でしょうか?
実際にドライバーでボールを打った際のインパクトでは、何と約1トンものエネルギーが発生しているのです。
仮に握力が弱い人がインパクトで強い衝撃を受けた場合、グリップがその衝撃に耐えきれず回ってしまいます。
これこそが『当たり負け』なのです。
こうなるとヘッドが開いてしまい、ミート率が低下し、ボールが飛ばない上に曲がってしまいます。
つまり、遠くへまっすぐ飛ばすためには、最低限、インパクトの衝撃に耐えうるだけの握力が必要になってくるのです。
また、インパクト以降でヘッドスピードを上げることを意識することにより『当たり負け』を防ぎ、飛ぶインパクトを作ることが出来ることも覚えておきましょう。
握力の弱いゴルファーが飛距離を一気に伸ばす方法
一昔前は45ンチを切る、比較的重量の重いドライバーシャフトが一般的だったのですが、昨今の驚くべきヘッドの進化と大容量化のおかげで、近年はシャフト重量を軽く長くする方が飛距離を稼げるという事が立証されています。
つまり、握力のそれほど強くないゴルファーでも、『軽硬(かるかた)シャフト』に差し替えることにより、効率的に、そして苦労することなく飛距離を伸ばすことが可能になったのです。
「サンキューテクノロジー!サンキュー軽硬シャフト!」ですね。
ドライバーシャフトに関する記事は下記が『超勧』です。
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『軽硬シャフト』がブームで終わらぬ2つの理由
昨今の『軽硬(かるかた)』ブームの理由は以下の2つに集約されるでしょう。
- 軽量長尺シャフトを使用するトーナメントプロの増加
- 現代人の握力低下
それでは一つひとつ見ていきましょう。
理由1.軽量長尺シャフトを使用するトーナメントプロの増加
『軽硬』ブームの理由一つ目は、近年、男子プロでも45.5インチや46インチといった長尺クラブを使うのが普通になったことが挙げられます。
そもそもゴルフに関してのブームのトレンドは、テレビで活躍しているプロが発信しているのです。
近年は男女とも若いプロゴルファーの活躍が目立ち、彼らのクラブセッティングがそのままブームになっていると言っても過言ではありません。
つまり、プロの使用するドライバーシャフトが『軽硬』になれば、『軽硬』がゴルフ業界のトレンドとなるのです。
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理由2.現代の日本人の握力低下
『軽硬』ブーム、もう一つの理由がゴルファーに限らず「現代人の握力低下」です。
国の調査によれば、ここ15年間において50歳未満の男女の握力の平均値は低下し続けているのです。(50歳代後半以上80歳未満の年齢層では男女共に握力の平均値は上昇傾向)
とりわけ、30年前と比べ、男性の握力の減退が目立っているとのことです。
文部科学省によれば、子供に外遊びやスポーツをさせなくなり、体を動かすことが減少したとが握力低下の主な原因とのことです。
若いプロゴルファーの握力も低下
また、第一線で活躍する若いプロゴルファーの握力も相対的に低下しており、何とヘッドスピード50s/mを超す男子プロでも片手の握力が40kgに満たないのです。
さらに女子プロになると20kg前後のプロもたくさんいます!
ヘッドスピードはずば抜けて速いのに握力がアマチュア同等、いや、それ以下のプロ達が効率よくボールを飛ばすためにはシャフトは軽くて硬くないといけないというわけなのです。
つまり、プロゴルファーを含む若者の握力の低下こそが『軽硬シャフトブーム』がブームで終わらない理由なのです。
握力が強い人は『重いクラブを振る資格がある』
ちなみに握力が弱いゴルファーは、重量の軽いクラブ(シャフト)しか振れませんが、握力が強い方は重いクラブ(シャフト)を使用することが出来ます。
しかしながら、必ずしも重いクラブを使用したほうが距離が伸びるとは言い切れないのがゴルフの難しいところ…。
冒頭でご紹介した通り、ゴルフの飛距離は推定飛距離=ヘッドスピード × ミート率 × 4です。
ゴリラのようなパワーの持ち主が、クッソ重いドライバーを振り切れたとしても、サル並みのミート率では飛距離は望めませんよね。
また、スペックオーバーの重いクラブがヘッドスピードを落とす原因になりかねません。
つまり、握力が強い人は『重いクラブを振る資格がある』と思って下さい。
- 握力が弱い→軽いクラブしか振れない
- 握力が強い→重いクラブを振ってもよい(もちろん軽いクラブも使用可能)
余談ですが、テンフィンガーグリップを採用しているプロの中には、握力の弱さを補うためにこれを採用しているという人もいるようです。
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重いクラブを使用する、たった一つのメリットとは?
重いクラブを使用することの最大のメリットは「同じヘッドスピード、同じミート率なら重いほうが飛ぶ」ということに尽きます。
別の言い方をすれば「風に強い重い球」が打てるということ。
つまり、握力が強く重いクラブを触れるゴルファーは、握力が弱いゴルファーに比べ、ボールを遠くに飛ばすポテンシャルがあるということ。
想像してみてください。
貴殿が、時速120m/hで爆走する10トンのダンプカーに跳ね飛ばされた時の衝撃と、前輪とハンドルが取れかかったおんぼろミニクーパーにぶつかったときのエネルギーの差を…。
「運動している物体が、別の物体に衝突して仕事をすることができる能力」のことを「運動エネルギー」と呼び、その計算方法は以下のようになります。
運動エネルギー=1/2x質量x速度の2乗
質量m[kg]の物体が、速さv[m/s]で移動する時に物体が持つ運動エネルギーJは「J= 1/2・mv2」となります。
この計算式を用いて、以下の場合のエネルギーの差を比較してみましょう。
- A:総重量400g、ヘッドスピード40m/s、シャフト45インチのドライバー
- B:総重量200g、ヘッドスピード40m/s、シャフト45インチのドライバー
- A: 1/2 × 400 × 40²= 320,000[J]
- A: 1/2 × 200 × 40²= 160,000[J]
ご覧の通り、クラブの重量が倍になれば、運動エネルギーも倍になるということです。
余談ですが、ヘッドスピード(速度)が2倍になると、運動エネルギーは4倍になります。
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門外不出!クラブフィッター秘伝『握力に応じたクラブの選び方』
それではここで、握力に応じた、絶対に失敗しないクラブの選び方をご紹介しましょう。
下記より、我らがクラブフィッターたけちゃんによる、長年のクラブフィッティング経験から導き出された「※門外不出※握力と適正クラブ重量一覧」を当記事をご覧の方だけにコッソリとお見せしましょう。
画像:握力と適正クラブ重量一覧|ドライバー編(クリックで拡大)
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飛距離アップに効果あり!おすすめの握力トレーニング器具5選
握力トレーニングで一気に飛距離をアップさせたくなってきたゴルファーの皆様お待たせしました。
ここからは、握力アップに効果のある、おすすめのトレーニング機器を厳選して5つご紹介します。
貴方にピッタリのトレーニング器具が見つかることをお約束しましょう。(継続は力なり)
握力を鍛える器具1|ハンドグリップ
価格:700円~
負荷:約50kg(男性向)
握力強化、ハンドグリップと言えばこの器具でしょう。いつでもどこでもお手軽に握力アップが期待できます。
握力を鍛える器具2|ハンドグリップ
価格:850円~
負荷:10kg-50kg
このハンドグリップの特徴は、ばねの強度を変えることで負荷調整ができるところでしょう。Amazonでも人気ナンバーワンの握力トレーニング器具です。おすすめ。
握力を鍛える器具3|パワーボール
価格:2,000円~
負荷:10kg-50kg
ボールの中のローターが回転することにより負荷がかかり、指や腕などの筋力を鍛えると最近人気急上昇中のパワーボール。LED、ストラップ、デジタルカウンターなどギミック多数で遊んでるようで手首を強化。超絶おすすめ!
握力を鍛える器具4|卵型ハンドグリップ
価格:999円~
スウェーデン発のみんなにやさしい熱可塑性ゴム(TPR)の卵型ハンドグリップ。独特のもみもみ感は癖になるかも。一気に握力を強化するというより、ストレス解消やリハビリに向いているかも。
握力を鍛える器具5|信州産 鬼くるみ
価格:1,780円~
負担:とても殻が硬く、割りにくい胡桃です
誰がなんと言おうと握力強化といえばジャッキーチェン『酔拳』のくるみ修行でしょう。「注意:普通のくるみ割り機では、くるみ割り機が壊れてしまう可能性があります。鬼くるみ用のくるみ割り機をお使い下さい。」とのこと。
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まとめ
今回は、ゴルフと握力の関係性について詳しくご紹介してきました。
長文になりましたので、以下に簡単にまとめておきます。
- 弱いスライスボールの原因は握力不足の「当たり負け」が原因かも
- 握力が弱くても『軽硬シャフト』で飛距離アップ
- 50歳未満の男女の握力の平均値は低下し続けている
- 握力が強い人は『重いクラブを振る資格がある』
- 重いクラブのメリットは「風に強い重い球」が打てること
- 「握力に応じたクラブの選び」が上達のコツ
- 『信州産 鬼くるみ』はくるみ割り機が壊れるくらい硬い
ゴルファーにとって握力を鍛えることは確実にプラスだと言えそうです。
また、最近の研究によると、握力低下は心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇するということも分かってきました。
握力が5kg低下するごとに、何らかの原因による死亡リスクが16%増加することが判明した。握力が低下することで、心血管疾患のリスクは17%、心筋梗塞リスクは7%、脳卒中リスクは9%、それぞれ増加した。
引用:保健指導リソースガイド
クラブを買い替える際やゴルフ上達のために、また、自分の健康状態を把握するためにも、握力を一度測ってみてはいかがでしょうか?
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最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回も、「ゴルフショップイシイ」の実はムキムキクラブフィッターのたけちゃんに監修いただきました。
この場をお借りして感謝申し上げます。
当記事が非力なゴルファーの握力強化の一助になれば望外の幸せです。
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